平成22年8月2日
[それいけ! あんぽんまん]
【あんぽんたん】
あんぽんたんとは 『アホ』 『バカ』 の語感を軽くした言葉で古く江戸時代から使われている。
多くの場合、相手に親しみの意を込めて使われる。
しかし、罵り言葉に変わりないため目上や初対面の人に使うことは避けたい。
「えっと、
【あんぽんたん】
だったっけ?
【あんぽんちん】
だったっけ?」
そんな入居者と職員との会話。
そんな時は
【スカポンタン】
でも良い気がするのだが……。
いかんせん、若い職員はタイムボカンシリーズを知らないので分からないらしい。
ここは何か面白い事でも言えば良いのだろうか?
例えば、シモネタとか。
そうですねぇ――
通常が 【あんぽんたん】
男性については
【あんぽん
ちん
】
女性に対しては……
【あんぽん
まん
】
――ってのは如何でしょうか?
“まん”
なのに女性とは如何に?
ただ、ひとつ問題があるとすれば……
「そうか、“あんぽんまん”か……“あんぽんまん” “あんぽんまん”」
すれ違って行った短期入所の方が、呟きながらご自身のユニットに戻られていった事です。
ご帰宅されるまでに忘れて頂けるとありがたいのですが。 切実に願います。
※ 短期入所のユニット職員より 「なんか変な事教えました!?」 ……一体何の事やら。
平成22年8月4日
[素でとんでも無い事言うから……]
巷では113歳のお年寄りが、実はすでに亡くなっていた。
そんな話が話題になっております、そりゃ……噂話が大好きな入居者の皆さん。
そんな話に喰い付かない訳がありません。
「93の私がもう、数年で逝くだろうに113なんてありえないわッ!」
「そうねぇ、順当に行けば、次は貴女だものねぇ〜」
御もっともな意見でございま……ちょっと!
平成22年8月6日
[いやいや、張り合う所が違うから]
「(私に対して) このエロガッパ!」
語源である鳳啓助を知らない癖に!
「わんちゃんが待っているから記録そこそこに帰ります」
なんと! 王貞治氏が待っていると!
「……?」
今のギャグのどこが面白いと言うとだな……。
世代の差を感じます。
ま、エロガッパと呼ばれる様な。 しかもそれを否定しない私もアレですが。
平成22年8月10日
[今考えると音無響子さんは大変面倒臭い性格であると思う]
そうだね、めぞん一刻で例えたら…私は四谷さんポジションだね。
「…え? めぞん一刻?」
世代の差はココまでに及ぶか!?
新たに入居された方にありがちな事でございますが、帰宅願望が見られております。
「取りあえず、ベテランとしての意見を訊きたい?どうすれば緩和されると思います?」
ムチャ振り来たッ!?
むしろ、ここはボケておかなければならない所なのか?
そうですねぇ、取り敢えず “時間に身を任せる” のが一番じゃないですか? 時の流れで慣れて頂くしかないですよ。
「……なんですか。 そりゃ、わかっていますけれど」
がっかりされました。
やはりボケる所だったのか?
……無い訳では無い、策は。 この年代の方に対して、一番の特効薬を私は知ってる。
「なんです!? それは?」
目を輝かせる後輩。 私、若干後悔。
ただ、私はこの神聖な職場である
(思っちゃいない)
酒を呑まなければならないのだが……。
「……何か嫌な予感が」
ユニット費で酒を購入せねばならないのだが、良いのかな?
「……予感が的中して来た」
宴会だね。 歓迎会。 職員も交えての呑んで吐き出してしまう事も必要かもねぇ。
「……却下します、断じて却下します」
女性向きの甘〜い日本酒、おじさん知っているンだけれどねぇ。
「
甘〜い日本酒には興味がありますが、
先輩のシモネタが倍増されそうなので却下します」
酒には興味あるンかいッ!
酒は冗談ですが、冬であれば鍋をつつくのもアリなんですけれどねぇ。
平成22年8月11日
[狂歌]
月々に 月見る月は多けれど 月見る月は この月の月
一見何を歌っているのか判りづらいので、月を
“ムーン”
と
“マンス”
に当て嵌めてみる。
マンスマンス
に
ムーン
見る
マンス
は多けれど
ムーン
見る
マンス
は この
ムーン
の
マンス
要するに、日本語の月という言葉には、天体の月と、ひと月ふた月の月の2つの意味があってややこしいですね。
そんなお話である。
引用先 / 清水義範 : サイエンス言誤学
そんなエッセイも夜勤明け、更に夜勤入りの職員が読むと……。
「ムンムン、マンマン。 そんなにおぱんぽんが恋しいか! ……そりゃ、少しは恋しいさ!」
うん、最低だ。
でも、“おぱんぽん” で留めた辺りは少しだけ評価して欲しい、そう願う。
平成22年8月16日
[今年の夏祭りは通報されません!入居者に付きますから!(尚更危ない……?)]
夏祭りの準備の為、休日に職場に出てきて飾り付けの内職しています。
実家で作業する事も出来ない訳ではありませんが、高校野球 (主にカメラマンの趣味・嗜好の考察) に酒が常備されている状態では……。 作業が進みません。
むしろ、一人で会議室を借り切り、無駄にテンションがハイになった方が同じ作業でも愉しめるってものです。
「貧しさに負けた〜 いえ 世間に負けた」
そんな歌声が聞こえてくる会議室。 3人にひとりは驚いて扉を開けます。
開けた所で作業に巻き込むのが、狙いなのですが。
平成22年8月17日
[こ、これが和洋折衷式夏祭りって奴か!?]
夏祭りの準備は本日はお休み。 車を6ヶ月点検に出して、企画書・タイムスケジュールを確認しております。
夏祭りにはあちらこちらのボランティアの皆様にご協力頂いております。
家族の方が来られない入居者の方に付いて介助して頂く学生や夫人ボランティアの会の皆さん。
ゲームな屋台などをお手伝いして頂く方。
太鼓やマジックショー等、その場を盛り上げて頂く皆さん。
出し物としてフォークダンスを踊って頂く皆様……フォークダンス?
理由:フォークダンスを披露する場所が無いからどうしても。
丁重にお断り……出来なかったンだろうな。 普段からお世話になっているボランティアさんだったから。
平成22年8月18日
[これ以上、夏祭りに休みを潰されてたまるか]
早番で出勤し、夜勤者と申し送りし。
その日の夜勤者と鉢合わせする時間まで職場に居ました。
「……えっと、何やっているの?」
って聞かれました。
何やっているンでしょう? きっと夏祭りの準備ですよ。
必要最低限、自分がすべき事は終わった!
当日の屋台出し物の係が準備してないって泣きついて来ても…知らんぞ! と言えない辺りが辛い。
飾り付け担当が飾り付けを終了してしまう事で他の職員に焦ってもらう効果を狙ったンですよ、……きっと。
平成22年8月20日
[これだから、詰めが甘い]
明日は夏祭りですが、本日の公式ブログでの告知にて――
「明日、
9月
21日は夏祭りです!」
――そんな失態。
とりあえず、明日って事だけは分かっている文章だったので、コッソリ訂正。
平成22年8月23日
[祭りのあと]
夏祭りは無事終わりました。
一日中外にいた訳ですので、顔を腕だけが日焼け。
「大変です! 首筋に保冷剤を巻いたタオルをどうぞ」
そんな心遣いが大変ありがたい。
「…ふふ、首筋にタオルを巻いたら、そこだけ日焼けされずに……首筋に縄を巻いたみたい」
貴様、Sか!? とんでも無いドSやな?
平成22年8月26日
[ここは礼儀を指導する場所では無いのだが]
夏休みの為、中学生が職場体験をしに来ております……嫌々なんだろうね。
言葉遣いがなっていない……のは仕方無いよな。 自分も中学生はそんなモノだったと補正を掛けて臨む。
だが――
まず、上履きを持って来ていない。 スリッパで職場体験するンか?
事前知識がなっていない。
まず、生徒たちが来る前に新人の先生方が前日に職場体験 (?) しに来ていたが……知識は皆無。
仕方無いよなと諦める。
「特養? 養老院と違いますのん?」
「……姥捨て山ですよね」
そんな感じだものなぁ、知らない人に取っては。
挨拶が小さい。 ……ボソボソと小さい声で挨拶しても聴こえない。
ヤル気が正直言って無い。 嗚呼ッ! 保育園児の演技の方がよっぽどお年寄りを楽しませているぞ!
――以上の事により施設長に直談判。
シゴいて……もとい、調教……間違い、指導して良いよね?
即座にOKが出るとは思わなんだ。 余程、腹に据えかねていたのだろう。
平成22年8月27日
[ユニット料理奮闘記]
夕食の味噌汁は豆腐とネギ、ワカメのストックもあるからオマケに入れちゃいましょう?
そんな気持ちで豆腐に包丁をおっかなびっくり入れている時の事でありました。
「先輩! ◯◯日、空いています?」
……? その日は私はお休みだねぇ。
「先輩が暇かどうか訊いているンじゃなくて……そちらのユニットで外出される方が居るから公用車が空いているかどうかを訊いているンです!」
あ、そう言う事ですか……その外出は家人による外出ですから公用車は使いませんよ。
「そうですか……じゃあ、公用車使わせて頂きますね。 あら、味噌汁ですか?」
丁度良い所に来てくれた。 ついでに味見をしてくれないか? 豆腐のウンチクでも聞かせてあげるから。
「!? 何ですか?」
ククク……まんまと喰いつきおった。
“どぜう(どじょう)地獄”
って料理を知っているかな? きっと初耳だろう。
湯豆腐の一種なんだけれどね。 豆腐を茹でる時にどじょうを数匹、一緒に煮込むンだ。
湯だって来るとどじょうは冷たい豆腐に潜り込む。 豆腐が茹で上がった時には豆腐の中にどじょうが入っている。
……そんな料理なんだよ。
ただ、そのどぜう地獄って料理は主に余り信仰心の無い物臭坊主が食べていた。
山芋と豆腐を一緒に茹でていたら、山芋がいつの間にかどじょうに化けていた。
そんな理由を付けてね。
「そんな料理があるンですか?」
ま、これは俗説に過ぎないンだけれど……ね。
それはそうと……実はこの“どぜう(どじょう)地獄”に18禁バージョンがあるのを知っているかな?
「わッ! 聞きたく無いけれど、むっちゃ聞きたい!」
江戸中期の話になるのだけれど、女性を後ろ手に縛って……下帯を付けずに五右衛門風呂に入れるンだ。
「釜茹でにするンですか!? 酷い!」
そんな酷い事はしないよ、色艶話だからね。 これは。
最初は気持ちイイ水風呂なんだよ。 ただ、数十から数百匹のどじょうが入っているけれどね。
「……なんとなくオチが分かってきた様な気がします。 どじょうが入っているだけでも嫌ですし」
火を焚いてお湯を少しずず熱くしていくンだよ、人には心地いい位の温度だけれど。
お湯が熱くなってくると。 そりゃ、どじょうは少しでも冷たい所に入ろうと……言えないけれど、穴と言う穴にキュウキュウと。
試した頃は無いけれど……それはそれは気持ちイイらしいよ。 古い記録によると。
「最低ですね、そんな事をして楽しんでいた人達は……」
尤も、コレは全て私の作り話なんだけれど……ね。
「最低だ、否、変態だ! 変態がここに居る!」
……その割には結構話を愉しんで頂けた気がするのだが。
平成22年8月28日
[ゆりかごから墓場まで、暮らしを見つめる◯マゾン]
ふと、ロボトミーについて調べてみようと思い検索したのだが――
――学術書を扱ってますって事だと思うのだけれど、ドキッっとしますな。
平成22年8月29日
[そうだ!諏訪へ行こう]
「厄除けのお守りが欲しい! (友人)」
「長距離成分が絶対的に足りない! (私)」
上記の損得の一致により、急遽出掛けて参りました。
国道での移動は当然ながら却下されたのでありましたが。 出発が昼過ぎだったのもありますが。
巫女さん成分。 鉄板焼き屋のほんわか娘さん成分も補充。
平成22年8月31日
[伝承]
各地方ごとに存在すると言われている、何でも願い事を叶えてくれる
“言いなり地蔵”
疲れた介護職員が誤読して――
「嗚呼、
“罵り地蔵”
か……」
――そりゃ、一部の業界の方には罵りの方が “ご褒美” でしょうけれど……。
うん、疲れている。
私。